「ダンスタブル」の音楽と功績

ジョン・ダンスタブル

John Dunstable

1390年頃~1453年

ダンスタブルの音楽

中世音楽時代から、ルネサンス音楽時代へ移行する時代に活躍した作曲家です。

ダンスタブルの音楽は、イングランド独自に発展した3度・6度の甘美な和声法や、不協和音の新しい解決法を特徴としています。

彼は、ミサ曲やモテットを多く書いたのですが、百年戦争の際、当時使えていや公と共にフランスに滞在していたので、作品のほとんどがヨーロッパ大陸で見つかっているようです。

百年戦争中も音楽活動を続けており、当時はイギリス国内だけでなく、大陸でもかなりの名声を得ていたと推測されています。

ダンスタブルの功績

百年戦争中の大陸での音楽活動によって、3度・6度の和声法をはじめとする音楽技法が、大陸の方でも使われるようになりました。

また、大陸で発達した音楽も祖国イギリスへと持ち帰り、双方の音楽の架け橋となったことがダンスタブルの功績です。

その後、この甘美な響きのする和声法は、、デュファイらをはじめとする大陸の作曲家に影響を与え、大陸の音楽と結びつき、フォーブルドンという新しい形式や、壮大なポリフォニー音楽へと進化してゆきました。
(フォーブルドンは、イギリスから入ってきた説や、デュファイが創始したとういう説もあり、正確にはわかっていません)

その進化は音楽的にとても大きく、ルネサンス音楽時代への幕開けとつながっていったのです。

ダンスタブルの作品

ダンスタブルの作品は、ダンスタブルが作曲したかどうか定かではない作品も多く、正確な作品数はわかりませんが、約50~55作品ほどが残されています。

シャンソン

  • おお、美しいばらよ(3声)
  • わが愛ゆえ(3声)
  • 私は心からお願いします(2声)

モテット

  • 来たれ聖霊(4声)
  • アヴェ・レジナ・チェロルム(3声)
  • おお栄光の十字架(3声)
  • 聖なるマリアよ(3声)
  • あなたは何者にもまして美しく(4声)
  • 祝福されし御母(3声)
  • 恵み深き救い主の御母(3声)