「レオニヌス」の音楽と功績

レオニヌス

Leoninus(1150頃-1201)

12世紀のパリで、ノートルダム楽派として活躍した音楽家。2声によるオルガヌムの作曲をした。また、「オルタヌム大全」の著者であるとされています。

音楽の歴史で始めて作曲家として名前を残した人物と言ってもよいでしょう。

レオニヌスの音楽

オルガヌム大全

オルガヌム大全は、グレゴリオ聖歌のメリスマ的なフレーズの速度を大幅に落として母体とし、その上声部に動きの早いフレーズや装飾的なフレーズを対旋律的にのせたポリフォニー的作曲法についてまとめられています。

これはメリスマ・オルガヌムと呼ばれ、オルガヌム後期の作風として知られています。

また、オルガヌム大全は2声で作曲されてるのですが、この2声部がそれぞれ人が歌ったのか、楽器を用いたのかまでは記載されていません。

かなり不正確な部分が謎として残されています。

モード・リズム

レオニヌスの作曲したオルガヌムは、レオニヌス以前のオルガヌムとは異なっており、一定のリズム・パターンを描くことがありました。これは、後のモード・リズムの走りのような様相を見せており、世界で最初にこれを使った作曲家と言われています。

また、そのための記譜方法も開発したのは、レオニウスだと言われています。

レオニヌスの凄さ

レオニヌスのが生まれる前の時代、まだ和声なんてほとんどありません。せいぜい4度や5度のハモりがようやく成立した頃で、楽譜もまだまだ現代の原型程度しかない時代でした。

そのような音楽がまだまだ発展途上の時代の中で、2つのメロディが1つの楽曲の中で同時に奏でられるポリフォニー的音楽を体現したことは特筆すべきところです。

単純な和声から、ポリフォニーへと導いたことにレオニヌスの歴史的価値があります。

その響きの清らかさ、荘厳さは当時の世界観や時代感をまさに表現した秀逸な技術です。

レオニヌスが後世に与えた影響

当時、レオニヌスは世界最高のオルガヌム作曲家と呼ばれることとなりました。

レオニヌスの音楽を、さらに飛躍的に発展させたのが、同じノートルダム楽派のペロティヌスという作曲家で、グレゴリオ聖歌は4声部まで広がりを見せることとなりました。

レオニヌスと、ペロティヌスの二人が、ポリフォニー音楽の原型を作ったといっても過言ではありません。

レオニヌスの作品

地上のすべての国々は