チャーチモードの解説 使いこなせるようになるための明確な答え

チャーチモードを使って作曲しようとした時、予想以上に難しくいい曲が作れなかった、、、もしくは挫折してしまった、、、なんて経験はありませんか?

チャーチモードを使ったカッコイイ曲はあるのに、全然それっぽくならないこともしばしばです。

実は、スケールの理論は理解しているのに使いこなせていない人がほとんどなんです。

今回は、そんなチャーチモードに関する疑問を全て解決して、使いこなせるためのヒントをまとめていきたいと思います。

チャーチモード(スケール)とは?

ここを読む人は、ほとんどがチャーチモードの理論的なことを理解できていると思うので、ここはざっくりと流して説明させてください。

スケールとは、「1オクターブ内での音の並びの順序」のことで、その並び方で全然音の響きが変わってきます。

1音変わるだけでも全然音楽の表情が変わりますよ。

もちろん、それが1オクターブ上がっても下がってもその並びが変わることはありません。

チャーチモード(スケール)は、7~8つほど種類があるのですが、実は1000年以上前に成立していたかなり原始的なものなんです。

チャーチモードを使うと、どんなメリットがあるの?

作曲の幅が、大幅に広がる

「チャーチモードを勉強すると、どんなメリットがあるの?」という疑問は、たくさんの人が持っていると思います。

一応勉強はしたものの、、、使いこなせなかったので何も変わらなかった、、、という人がほとんどなんです。

でももし、チャーチモードを使いこなせるようになれば一気に作曲の幅が広がります。

メジャーやマイナーだけでは絶対出せないエスニック感や、日本人が大好きなもの悲しい印象の楽曲とか、自由自在に出すことができます。

また、メジャーやマイナー楽曲の一部にモードの雰囲気を入れるだけでも、楽曲の幅が広がります。

使いいこなせば、あなたの作曲能力を2倍にも3倍にも高めてくれますよ。

チャーチモードを使った名曲

では、チャーチモード(スケール)を使った楽曲の紹介をしておきますね。

どれも、ちょっと味わいのある、ぐっと心にささる楽曲ばかりです。

ドリアンスケール

  • サイモン&ガーファンクル 「スカボロー・フェア」
  • BEYOND – THE WALL(「進め!電波少年」のOP)
  • イングランド民謡「グリーンスリーブス」
  • サティ作曲「ジムノペディ」

ミクソリディアンスケール

  • ビートルズ「ノルウェーの森」

チャーチモードの楽曲は、ドリアンがかなり多く、たくさんの楽曲で使われています。

名曲も数多く生まれているのも特徴です。

チャーチモードを使って作曲できるようにするには?

ではこのチャーチモードですが、実際に使ったことはありますか?

私のクラスでアンケートを取ったところ、「一度チャーチモードを使おうとして、うまく使えず挫折したことがある」という人は、なんと80%以上もいました。

ほとんど失敗しているんですね。

実は、僕も最初はそうでした。

では、なぜ使いにくいのかを解明した上で、使えるようになる方法を探っていきたいと思います。

なぜチャーチモードは使いづらいの?

先程お話したように、チャーチモードは1000年前にできたもので、種類は7~8つあります。

そして、バロックや古典派の時代に音楽理論や機能和声が急激な進化していく過程で、その機能和声を活かすことができるスケールにだんだんと淘汰されていきました。

となると、、、やはりその機能和声が使えるスケールは使用頻度が高くなりますよね。

このように残っていったのが、今でも使われているアイオニアン(メジャー)とイオニアン(マイナー)なんです。

なのでそれ以外の5つほどあったスケールは、淘汰され次第に使われなくなっていきました。

言葉の世界で言うと、現代で使うと違和感のある”古語”のような位置づけになって言ったわけですね。

人間は生まれながらにして音感がないので、生まれてから以後に聴いた音楽に強い影響を受ける性質があります。

現代人は、現世まで生き残ったイオニアン、アイオニアン以外は、ほとんど耳にすることがなく育っていくことになります。

つまり、イオニアン、アイオニアンだけが頭の中で普通に流れるという、自分の血となり肉となっていったのです。

なので、ドリアンやリディアンは、自分の血に入っていない「なじまない」音楽なんです。

つまり、、、使いこなせないのです。

英語がペラペラでない人が、英語で歌詞を書けないのと全く同じことですね。

体に馴染まないスケールで、流暢に楽曲を作ることはできません。

チャーチモードを使いこなす方法

数年前、まだ一度も作曲をしたことがない人たちに、ゼロから作曲を教えたことがありました。

そのクラスは、約20人ほどが受講していました。

まず、その人たちに、「ドレミファソラシド」の白鍵のみを使って作曲をしてみよう!という授業をしました。

いわゆる「Cメジャースケール」ですね。

ですが、、、ある19歳の女の子の作った音楽だけ、ちょっとおかしいというか、違和感があるんです。

すごい切ないと言うか、エスニックと言うか、、、

マイナー調なんです。

こう話すと、『あぁ、「ラシドレミファソラ」の「Aマイナー」で作っちゃったんだね。』と思うかもしれません。

ですが、Aマイナーではありません。

なんと、、、

「レミファソラシドレ」

で音楽を作っていたんです。

つまり、「Dドリアン」です。

なんと、はじめて作曲をする人が「Dドリアン」で音楽を作ってしまったんです。

かれこれ15年ほど講師をしていますが、こんなこと初めてでした。

あまりに気になったので、その子の生い立ちや、普段どんな音楽を聴いているのかを詳しく聞くと、「ファイナルファンタジー」の音楽が大好きで、サントラを買ってそればっかり聴いていたそうでした。

たしかに、FFシリーズはドリアンはたくさん使われています。

つまり、ドリアンが体の中にしみこんでいたんです。

逆にその子は、「ドリアンスケール」は使いこなせても、「メジャースケール」「マイナースケール」はあまりうまく使いこなせませんでした。

メジャーとマイナーが主流の現代において、ドリアンの音楽を一番多く聴いてきたという特殊な環境で育った、不思議な音感の持ち主ということになりますね。

語学で言えば、日本で生まれた子供が、テレビで「フランス語講座」ばかり流していたら、フランス語の方が先に話せるようになってしまった、、、というような状況かもしれませんね。

ここで、1つ長年の疑問が確信したことがあります。

「人間には生まれ持った音感が全くないので、生まれた後に聴いた音楽しか作曲に影響を与えない」

という説は、ほぼ確定させることができました。

この世に生まれた後、ドリアンを中心に聞けばドリアンを使った作曲をするようになりますし、メジャーやマイナーを聴いていればそれを使った作曲をするようになります。

なので、機能和声ではまらなかった、イオニアンやアイオニアン以外のスケールは、徐々に廃れていったということになるのです。

これで、イオニアン、アイオニアン以外のスケールを使いこなすのはとても難しい理由が分かったと思います。

では、ようやく本題です。

使いこなすためにはどのようにすればよいのでしょうか?

それは答えが1つしかありません。

もし、ドリアンを使いこなしたいなら、ドリアンの楽曲を聞き込んで、そしてコピーして、ドリアンスケールを自分の頭に叩き込むしかないんです。

英語で歌詞を書こうとすれば、夢で話している自分が英語話しているくらい、英語を理解しないということなんです。

体の中に流れていないスケールは、使うことができないんです。

ドリアンスケールを使う時は、頭の中をドリアンのスケールに完全に切り替えてください。

切り替われば、、、自然にそのスケールの良いところが見えてきます。

これが、チャーチモードを勉強する意味です。

使いこなすと、作曲家として有り余るほどの大きなメリットはありますが、使いこなすまでは少し時間がかかるということです。

モード!?スケール??

チャーチモードと言ったり、チャーチスケールと言ったり、モードとスケールって同じ意味のように使われていることが多いですよね。

教える人によっては、全く同じものですと言う人がいるようです。

ですが、本当は全然違います。

チャーチスケールとは?

チャーチスケールとは、先述で説明したように「1オクターブ内での音の並びの順序」のことです。

つまり、どんな音が使えますよ~という理論的な話のことなんです。

チャーチモードとは?

モードとは、スケールなどを使って出来上がった楽曲の「イメージ」や「音の響き」や「雰囲気」といったところです。

スケールと違って、人間の感じる感覚的な話ですね。

なのでチャートモードというと、楽曲がかもし出すニュアンス的な部分全般を指します。

まとめ

一連の経験によって、なぜ、チャーチモードを説明したサイトは多いのに、その具体的な使い方や、なぜ使いこなしにくいのかを説明したサイトが無いのか、、、

これの理由が分かりました。

それは、書いている人がチャーチモードを使いこなせていないからです。

チャーチモードは、頭で理論的に理解するのはとてもカンタンですが、使いこなすためには何年もかかるからなんですね。

なので、その記事を書いている人もチャーチモードの価値がほとんど分かっていないんです。

作曲家にとっては、人生を左右するほど大事な技術なのにです。

専門学校でも、チャーチモードを教える授業はありますが、それを使いこなすための授業はまずありません。

プロでもそうそう投げれない160キロの球を、カンタンに求めてはいけない、、、ということなのかもしれませn。

もしこの記事が、あなたがチャーチモードを使いこなすヒントになれれば幸いです。