今までの音楽理論は、覚えてしまえばカンタンでしたが、反復記号は、意味を覚えていても少し扱いが面倒なものもあります。
音楽理論テストをすると、ここだけ間違い率が高いなんてこともよくあるので、このページ最後の練習問題でしっかりと使いこなせるようになってくださいね。
目次
反復記号一覧
記号 | 読み方 | 表記 | |
リピート | repeat | リピート記号(左向き)から、りぴピーと記号(右向き)に戻ります。右向きがなければ曲頭に戻ります。 | |
1番カッコ | = | ||
2番カッコ | = | 1番カッコの後、再度この場所に来たら、1番カッコを飛ばして2番カッコを演奏します。 | |
ヴィーデ | vide | ラテン語で「見よ」の意味。 ポピュラーでは「コーダマーク」とも呼ばれ、コーダに移行します。 |
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トゥ・コーダ | to coda | 「ダル・セーニョ」か「ダ・カーポ」の後、codaに移行します。 「to」が無い場合もあります。 |
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コーダ | coda | coda(結尾部)部分。 「coda」の記載はなく、記号のみの場合もあります。 |
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セーニョ | segno | 「D.S.(ダルセーニョ)」の記号から、この記号のところに戻ります。 | |
ダル・セーニョ | dal segno | 「記号から」を意味します。 セーニョの記号まで戻ります。 |
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ダ・カーポ | da capo | 「」を意味します。 曲の頭まで戻ります。 |
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フィーネ | fine | ダルセーニョやダカーポで戻った後、この記号で曲が終わります。 | |
フェルマータ | fermata | 拍子の機能を停止して、音符や休符を伸ばします。その意味から、終止として使われることもあります。 | |
シミレ | simile | 1つ前の小節と、全く同じ内容を繰り返す。 | |
シミレ | simile | この小節の前の2小節分と、全く同じ内容を繰り返す。 | |
ビス | bis | 指定された箇所を、2回くり返す。 あまり見られない。 |
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テル | ter | 指定された箇所を、3回くり返す。 あまり見られない。 |
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クアテル | quater | 指定された箇所を、4回くり返す。 あまり見られない。 |
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ダカーポ・アル・コーダ | da capo al coda | 「曲頭に戻った後は、コーダに進んで終わってください」の意味です。丁寧に書いてくれているだけで意味は同じです。 | |
ダルセーニョ・アル・コーダ | dal segno al coda | 「ダルセーニョに戻った後は、コーダで終わって下さい」の意味です。丁寧に書いてくれているだけで意味は同じです。 | |
ダルセーニョ・アル・フィーネ | dal segno al fine | 「ダルセーニョに戻った後は、フィーネで終わって下さい」の意味です。丁寧に書いてくれているだけで意味は同じです。 |
反復記号の使い方
「リピート」の使い方
リピートは、リピート記号(左向き)からリピート記号(右向き)のところまで戻ります。戻った後は、リピート記号(左向き)はスルーしてください。
また、パターン②のように、もし小節Bにあるリピート記号(左向き)より前に、リピート記号が無かったら、楽曲の先頭に戻ることになります。
パターン①
進み方
A-B-C-B-C-D
パターン②
進み方
A-B-A-B-C-D-C-D
「1番カッコ」「2番カッコ」の使い方
この2つの特徴は、それぞれ必ず一回しか通らないと言うことです。1回目通った後にリピートで戻ったら、「1番カッコ」は素通りして「2番カッコ」2回目は必ず。
場合によっては、「3番カッコ」もあるので注意しましょう。
パターン①
進み方
A-B-C-B-D
パターン②
進み方
A-B-C-D-B-E-F-B-G-H
「ダル・セーニョ」「ダ・カーポ」「コーダ」の使い方
「ダル・セーニョ」と「ダ・カーポ」を使った反復方法は、1つの法則があります。
「ダル・セーニョ(セーニョへ戻る)」と「ダ・カーポ(曲頭に戻る)」でそれぞれ戻った後は、1回目は通り越した、「フィーネ(fine)」か「フェルマータ」の箇所で終わります。もしくは、「コーダ(coda)」に飛んで終わります。
それぞれ終りの場所をみつけることがポイントとなります。
ダ・カーポ
進み方
A-B-C-D-E-F-G-H-A-B-C-D-E
ダル・セーニョ
進み方
A-B-C-D-E-F-G-H-C-D
コーダ
進み方
A-B-C-D-E-F-G-H-C-D-I-J-K
「反復複製」の使い方
前の小節と全く同じものを繰り返すという意味になります。コードバッキングや、ドラムパターンなど、リズム系の楽器の譜面でよく見られます。
「・/・」だったら1小節前を複製、「・//・」だったら前の2小節分複製するという意味になります。なので「・//・」は、パターン②のように必ず2小節以上連続でかかれることになります。
パターン①
進み方
A-A-C-C
パターン②
進み方
A-B-A-B
「ビス」「テル」「クアテル」の使い方
楽譜であまり見ることはありませんが、これも反復記号です。意味は下記の通りで、そんなに複雑な使われ方にはなりにくい記号です。
- 「bis(ビス)」=2回繰り返し
- 「terテル)」=3回繰り返し
- 「quater(クアテル)」=4回繰り返し
ビス
進み方
A-B-C-D-E-C-D-E-F-G-H
テル
進み方
A-B-C-D-E-C-D-E-C-D-E-F-G-H
クアテル
進み方
A-B-C-D-E-C-D-E-C-D-E-C-D-E-F-G-H
反復記号が複合した時、特殊な動きをするパターン
「ダ・カーポ」と「リピート」の複合
ダ・カーポで頭に戻った時、基本的にはリピート記号の効力はありません。
頭に戻って、BとCの間のリピート記号はスルーして、Dのfineで曲が終わります。
進み方
A-B-A-B-C-D-C-D-E-F-G-H-A-B-C-D
反復記号雑学
「ヴィーデ」と「コーダ」の違いは?
「ヴィーデ」と「コーダ」はどう違うのかという質問がよく聞かれます。
同じ記号で書かかれながら、意味や記載方法が微妙に違ったりするのでわかりにくいですよね。
ヴィーデとは、「見よ」という語源から、「もう1つ先にある、同じ記号(コーダ部分)に飛んでください」の意味になります。
また、コーダはその飛んだ後の「楽曲の終結部分」を指します。
ヴィーデは、記号の隣にわかりやすく「to coda」と書いてくれていたりするのですが、完全に統一した記載方法が無いのが事実です。
曲中に出てくる記号は「ヴィーデ」で、最後に出てくる記号は「」
練習問題
問題
初級編
次の楽譜は、どのような順番で小節が演奏されてゆくでしょうか。
① | |
② | |
③ | |
④ | |
⑤ |
中級編
次の楽譜が、「進み方」に書かれているアルファベットの順に進む時、どんな反復記号が必要でしょうか?
下の楽譜に反復記号を書き込みましょう。
⑥ | ||
進み方 | A-B-C-D-E-F-G-H-D-E-F |
⑥ | ||
進み方 | A-B-C-A-B-C-D-E-D-E-F-G-H-A-B-C-D-E-F |
⑧ | ||
進み方 | A-B-C-D-B-E-F-B-G-H |
答え
初級編
①A-B-A-B-C-D-E-F-C-D-E-F-G-H
②A-B-C-A-D-E-F-G-H-F-G-H
③A-B-C-D-C-D-E-F-G-H-A-B-C-D-E
④A-B-C-D-E-C-D-E-F-G-H-C-D-E-F-I-j
⑤A-B-C-D-C-D-E-F-G-F-G-H
中級編
⑥ | |
⑦ | |
⑧ |