【楽典】省略記号を覚えよう! ~省略記号一覧

楽譜には、より見やすくするために、あえて記載を省略したり簡易化する場合があります。

もし細かい音符が、真っ黒になるまで実音どおりに記載されていたら、逆に見にくくて演奏の支障になってしまいますよね。

ですが、その記号の意味を知らなかったり、どこが省略されているのかわからなかったら楽譜が読めなくなってしまいます。

具体的な例を出しながら、省略記号を一緒に理解していきましょう!

省略記号一覧

省略記号
記号 読み方 意味
オッターヴァ・アルタ
8va、ottava alta
指定された範囲を、1オクターブ上の音で演奏する。
クィンディチェジマ・アルタ
15va,quindicesima alta
指定された範囲を、2オクターブ上の音で演奏する。
オッターヴァ・バッサ
8vb、ottava bassa
指定された範囲を、1オクターブ下の音で演奏する。
「16」と記載されることもある。
クィンディチェジマ・バッサ
15vb,quindicesima bassa
指定された範囲を、2クターブ下の音で演奏する。
「16」と記載されることもある。
シミレ
simile
直前の内容と同じ奏法で演奏する。
アルペジオや演奏記号等、様々なパターンで使用される。
1つ前の小節と、全く同じ内容のものを演奏する。
2小節分前の小節と、全く同じ内容のものを演奏する。
1つ前の拍と、全く同じ内容のものを演奏する。
2つ分前の拍と、全く同じ内容のものを演奏する。
音符に記載された斜線と同じ数の旗の音符を、刻んで(連続で何度も)演奏する。左図の3斜線なら、32分音符で刻んで演奏する。16分音符に1斜線でも、32分音符となる。

省略記号の具体的な使い方

8va

「8va」と表記されたら、譜面で書かれている音符の1オクターブ上の音を演奏します。「8vb」なら、1オクターブ下の音で演奏します。

実際のところ、「8」とだけ記載されたりすることもあります。その場合、音符の上側に記載されたら1オクターブ上に、音符の下に記載されたらオクターブ下(8vb)で演奏するという意味になります。

楽譜の記載

実際の音

15va

「15va」と表記されたら、譜面で書かれている音符のオクターブ上の音を演奏します。「15vb」と記載されていたら、2オクターブ下で演奏します。

楽譜の記載

実際の音

simile(シミレ)

「・/・」の場合、一つ前の小節と全く同じものを演奏します。

楽譜の記載

実際の音

「・//・」の場合、2節分前と全く同じものを演奏します。ギターのバッキング等、繰り返しの多いパートで多用されます。

楽譜の記載

実際の音

「sim.」と文字で記載された場合は、直前の音符、または演奏記号と同じもので演奏されます。この場合はアルペジオですが、スラーやアクセントなどの演奏記号などの場合もあります。

楽譜の記載

実際の音

連続した音符の省略

音符に斜線が入っていた場合、その音符に斜線と同じ数の分だけ羽根をつけて連続で演奏するという意味になります。

例えば、図のように4分音符に斜線3つなら、羽根3つついた32分音符で連続して演奏するという意味になります。また、図のように16分音符に斜線1つついていたら、16分音符には羽根が2ついているので、斜線1つ分足して羽根3つになり、32分音符で連続して演奏する意味になります。

楽譜の記載

実際の音

8分音符に斜線1つなら、8分音符に羽根1つ足して16分音符になるので、16分音符で連続して演奏するという意味になります。

楽譜の記載

実際の音

練習問題

問題

下記の楽譜は、演奏記号によって省略、または簡易化されています。

この楽譜を実際に演奏する場合、どのように演奏されるか書いてみましょう。

答え