【楽典】臨時記号「#」「♭」「♮」の有効範囲はどこまで?

楽譜を見ていると、ある小節に「♯(シャープ)」や「♭(フラット)」や「♮(ナチュラル)」が付いているのを見かけると思います。

この臨時記号は、いったいどこまで効力があるのでしょうか?

また、調号とどんな違いがあるのでしょうか?

臨時記号 調号

臨時記号の効力の範囲

小節内の同じ音

臨時記号が付いた後の音からは、同じ小節内なら効力があります。

楽譜のように1小節目2拍目の「ファ」に#が付いていたら、同じ小節内の後に出てくる「ファ」の音も「ファ#」になります。

ですが、次の小節の「ファ」には効力がありません。

また、同じ小節でも、臨時記号「#」が付いている音符の前の音にも効力はありません。

同じ小節内で、臨時記号のついた音譜の後に出てくる音にのみ有効です。

オクターブ上の音には効力が無い

同じ小節内でも、オクターブ上には効果がありません。オクターブ上の音も半音あげたい場合は、オクターブ上の音にも「♯」をつけてあげないといけません。下の画像では、オクターブ上の音の「ファ」には「#」が付いていないので、普通の「ファ」の音になります。

タイでつながった隣の小節の音

タイでつながった場合、つながった音が次の小節にまたがっていた場合も効果があります。

画像のように、一小節目の「ファ#」の効果は、2小節目の1拍目も「ファ#」になります。

ですが、次の小節のタイ以降の音には効果が無いため、次の小節でも「ファ#」にしたい場合は、赤矢印のようにシャープをつけてあげないといけません。

調号との違い

調号と、臨時記号の違い

調号は、臨時記号のように1小節だけというわけではなく、楽譜すべての音に効力があります
(ただし、転調して調号が変更になるまで)

たとえば、右の図のような調号だった場合、「ド」「ファ」「ソ」の音すべてに効力が発揮されます。

しかもオクターブ上とか下はもちろん、どんな高さ(低さ)の「ド」「ファ」「ソ」にも効力があります。

まとめ

 範囲 臨時記号 調号
小節 その小節のみ 全ての小節(転調するまで)
オクターブ上や下の音 無効 有効

練習問題

問題

下記①~⑩番の音譜について、それぞれの実音を書いてください。

実音とは、「ファ#」など、下記の譜面を実際に楽器で弾く音のことです。

「ドレミ」でも、「CDE」等の英語でもOKです。

初級編

中級編

答え

①ド(C)

②ファ(F)

③ファ#(F#)

④ファ#(F#)

⑤ファ(F)

⑥ミb(Eb)

⑦ソ(G)

⑧ソ(G)

⑨シ(B)

⑩シ(B)