「技術は自分で盗め」という指導法の賛否

「仕事は見て盗め」という指導法が、巷でよくバトルされていますよね。

学校や仕事場、テレビなどでも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

上司と部下の隔たり

図式としてはこんな感じです。

新人=仕事に必要なものは、上司が1から順序だてて全て教えてほしい
上司=自分の成長に必要な技術は、上司から盗んでこい

あっ、1つだけ最初にお断りしておきます!

「これは業種によるよね」という意見も必ず1人は言い出しますが、議論の筋と離れてしまうのでこの意見はナシでお願いします笑

業種云々の話ではなく、仕事をする姿勢の話なのでこう言われるともう話が終わっちゃうので涙

すみません、話に戻ります。

新人(部下)の主張

まずは、新人側の主張を見てみましょう。

1から全部教えて行くというのは、もちろん決して悪いことではありません。まずは基礎をしっかりさせてからでないと成長しにくいというも理にかなっています。

しかも教える側も、自分が培った知識を1から順序だてて教えていくと、結果的に上司にとってもよい復習になるとも言えます。

ですが、、、

1から順序だてて教えていっても、ちゃんと新人に伝わるのでしょうか?

1から教えていくということは、最初は何も知らないということです。

つまるところ、教えてもらう側は「なりたい自分」というものがないのです。

目標が無い人に指導しても何も響きません。おそらく吸収率で言うと10%も無いのではないでしょうか。

「お金払ったんだから一通り教えてくださいよ。」という姿勢で来られる方もいますが、もしこちらが対価をもらっていたら、その方が望む基本からケーススタディまでキッチリ教えるのもやぶさかではありません。

でも、そういった指導をしてもまず自分を超えていけることはありません。

なぜなら、自分の技術なんて100%の経験をどんなに時間をかけて講義しても、伝えることができるのはせいぜい30%程度です。そしてそれを生徒ががんばって80%吸収できたとしても、わずか24%程度にしかなりません。

なので、1から全て教えようとすることの無駄さは先生自身がわかっています。

音楽という答えが無限にある仕事をするのに、全て教えるのは基本的に不可能なのです。

上司の主張

では、上司側の意見を見ていきましょう。

「必要な知識は目で盗め」と言われると、なんだか何も教えない、冷たいやり方に感じる新人もいるでしょう。

右も左もわからないのに、一体何を盗めというんだよ!とう意見は実に様々なところで話は出ます。

でも、師匠は本当にただ冷たく、指導するつもりがないのでしょうか?

決してそんな事はありません。

上司が求めているのはたった一つだけです。

仕事に対する姿勢を求めているのです。

仕事に意欲があれば、仕事に役立ちそうことや。初歩の技術的なことは何かしら調べているはずです。

その上で「こういったことがしたいけど、どうやったらわからない」となった時、上司の行動や考えをくまなく観察するのです。

もちろん直接質問するのもいいですね。「目で盗め」と言われると「質問するな」と誤解をしている新人さんが多くて困ります。

「技術は自分で進んで手に入れろ」という意味なので、質問が来ると上司は安心します。

つまるところ、、、

自分で必要なものを人から盗もうとできる人は、必ず「なりたい自分」がある人です。

言いかえれば、強い積極性がある人です。

教えてよっていう人は、「なりたい自分」がないから1から教えてほしいと受身になってしまうのですね。

理想を持って自発的に取り組む人と、言われたことだけこなす受身的な人の成長度の差は歴然です。

極端な話では、英語の仕事をしたい人と、試験があるからイヤイヤ英語を勉強している人の成長度の差は、月とスッポンでしょう。

しかも教える側としても、なりたい理想を持って来る人には、つい必要以上に時間を裂いて指導してしまいます。がっぷり四つで来てくれると、ついこちらも熱が入ってしまいます。

上司も何とか伝えたいとこちらも思うわけですね。

なので上司を本気にさせることができる新人は、1つの才能ではないかなと思います。

こういったことから、上司が本当に「育てたい」と思った人には一から技術なんて教えません。

自発的な行動ガできる新人は、どんな人からも何かを吸収できます。何もしなくてよい時間でも、何かすることを見つけて行動しています。

その気になったら、一番嫌いな人からでも反面教師として何かを盗めることでしょう。

まとめ

結果として、「技術は見て盗め」という指導法が合わない人は、どんな仕事でも、ソツなくこなすことはできても大成することはありません。

僕は、大成する人に全力をかけて教えたいと思うので、その生徒が吸収しやすいように発言とか行動とか、たくさん布石をうって授業をしています。

現場に出た時「あぁ、そういう事か!」と思えるようにしています。

時には意地悪をして、今だからできる「ちゃんと意味のある失敗をさせてあげる」ことが自分の根底にある指導法です。