コード進行分析/LOVE LOVE LOVE

印象的なハープシコードのフレーズから始まる名曲、dreams come trueの名曲「LOVE LOVE LOVE」です。

当時、恋愛ソングの定番となったこの楽曲ですが、いろんな思い出が詰まった人も多いはずです。

この楽曲は音楽的な技術もさることながら、音楽の感情表現も秀逸な仕掛けが施されています。

基本的な音楽表現を覆すこの楽曲、早速分析に入っていきましょう。

Aメロ

Db / Db△7onC Db7onB / Bb7 Ebm / Ebm△7onD Ebm7 onDb / F7
Ⅰ- Ⅰ△7 onⅦ Ⅰ7 onⅦb / Ⅵ7 Ⅱm / Ⅱm△7 onⅡb Ⅱm7 onⅠ / Ⅲ7
Bbm / Bbm△7onA Bbm7 / Eb7 Gb / Ab Db
Ⅵm / Ⅵm△7 onⅥb  Ⅵm7 / Ⅱ7 Ⅳ / Ⅴ

この楽曲は、まずAメロで引き込まれてしまいますよね。

構成の尺からいえば、このAメロが普通の楽曲のサビのようにも感じるくらいの印象が強い部分にです。

ベースが半音階で下って一時転調を繰り返しているところに、しっかりとメロディの気持ちいい部分を当ててきています。

①「すごくすごく好きな」の「Db7 onC – Bb7」のF音はゾクってきますね。

②後半の「うまく言えないんだろ」の「な」のファがAbの6度の音になっていて、美しくもまた切ないです。

この2点がコード進行とメロディがこれだけ綺麗にはまった楽曲も珍しいです。すばらしい作曲技術ですね。

Bメロ

Gb Fm A Ab
Ⅲm Ⅴb

とても短いBメロです。

短いですが、Bメロに入った瞬間コーラスだけになり、大きな展開を見せるので大きなアクセントとなっています。

そして、「少しづつ、、、」のところで、マイナーからの借用でA(Ⅵbのコード)が出てくるところが切なさを一気に表現しています。

しかも、メロディも3連符で一気に感情を解放ち、天に上っていくように感情があふれてサビに突入します。

サビ

Db / Db△7onC Db7onB / Bb7 Ebm / Ebm△7onD Ebm7 onDb / F7
Ⅰ- Ⅰ△7 onⅦ Ⅰ7 onⅦb / Ⅵ7 Ⅱm /Ⅱm△7 onⅡb Ⅱm7 onⅠ / Ⅲ7
Bbm / Bbm△7onA Bbm7 / Eb7 Gb / Ab Bbm7
Ⅵm /Ⅵm△7 onⅥb Ⅵm7 / Ⅱ7 Ⅳ / Ⅴ Ⅵm7
Gb / Ebm7 Ab add11 Db
Ⅳ / Ⅱm7 Ⅴadd11

この曲の一番凄いところは、、、サビに入ってから一小節丸々メロディが出てこないんです!

Bメロの3連符を絡めた「少しづつ思い出になっても」という熱いメロディーをサビ頭の一小節すべてを余韻に使っています!

そして、サビなのに声をはることなく、逆に「、、、愛してる」という切ないメロディではじまります。そこに、本当に心の奥から言葉に出ないほど愛おしい『愛してる』をこれでもかと言うほど伝えてくれます。

しかも、このサビは曲の中で一回しか出てきません。

こんな苦しい、切ない想いは2回も言わせないでほしい、、、そんな隠されたメッセージを感じます。

なので、思い出すだけで涙が出てしまうような恋をしたことがある20代女性に圧倒的な支持を得たのですね。

これこそ音楽的な感情表現の到達点とも言えます。

実はこのこのコード進行、、、実にAメロと全く同じなんですね。

でも、Aメロとは全く顔を見せる作曲技術は特筆すべきところですね。普通なら、少し印象が似てしまうものです。

エンディング

Db Db Db / Ab7 Db
Ⅰ / Ⅴ7
Db Db Db / Ab7 Db
Ⅰ / Ⅴ7

サビで熱い感情を出したと思えば、ここは音楽の技術的な要素が散りばめられています。

実に、、、ほとんどコード進行しません。

コード進行しなくても、こんだけ音楽は幅広い表現が出来るんだぞという、ドリカムからの熱いメッセージのようにも聞こえます。

まとめ

曲を聞き終わったあとの印象ですが、サビはどこだったかわかりましたか?

印象的すぎるAメロ、「LOVELOVE愛を叫ぼう」というフレーズが異様に印象に残るエンディング。

それに比べわずか19秒しかない本来のサビといわれる部分。しかも一回だけ。

近代ポップスは、このサビをどう聞かそうかと楽曲を作るのですが、なんとサビ以上に印象的な部分をたくさん創っているのに楽曲として成立させています。

しかも、サビは感情表現に重きを置いているので、音楽的な印象度はそんなに高くありません。

普通に聞くといい曲、、、と感じますが、本来のポップスの作り方とは間逆のアプローチをしています。

それなのに美しい、、、それなのに泣ける、、、

名曲中の名曲といっても過言ではありません。

そして、これだけの技術を詰め込みながら、わずか3分ちょっとで曲が終わってしまいます。

繰り返し聴いてしまいますよね。