「あったかいんだからぁ♪」 コード進行分析&解説

クマムシの大ヒット曲「あったかいんだからぁ♪」は、とてもお笑い芸人の作った楽曲とは思えないほどコード進行が良くできています。

特に「特別な~」のコードは良いですね!

また、この部分の”サビ”が何回も繰り返されている印象ですが、実はキーが毎回半音ずつ上がったり様々な工夫がされていて、サビが何度も出てきても飽きないようにつくられています。

この半音の上がり方もなかなかオシャレに転調しますよ。

では解説していきますね。

解説

イントロ

key of C

C / F G / E7 Am Gsus4 / G7
Ⅰ/Ⅳ Ⅴ / Ⅲ7 Ⅵ,\m Ⅴsusu4 / Ⅴ7

まず、イントロですね。

2小節目の「E7」が良い味を出しています。

ここでのメジャーコードは日常的なほのぼの感を出すのにピッタリですね!

サビ

key of C

C Caug C6 Gm / C7
Ⅰaug Ⅰ6 Ⅴm / Ⅰ7
F Em/Am Dm Gsus4/G7
Ⅲm/Ⅵm Ⅱm Ⅴsus7 / Ⅴ7

この曲の一番”肝”となる部分ですね。

C – C#aug – C6のところがポイントです。

Cメジャーコードの「ソ」音が、C#augで「ソ#」、C6で「ラ」の音へと半音ずつ上がっていっています。

しかも「Gm」のところではさらに半音上がって「ラ#(bシ)」の音へとつながっています。

この半音上がるクリシェがこのメロディを支えてくれているところが気持ちイイですね!

また、メロディも2小説の頭の「ソ#」の音をキッチリたどっているところも気持ちイイですね!

この曲は、コード進行から作らないと生まれないほどコードとシンクロしているので、まずコード進行ありきで生まれたメロディでしょう。

間奏(1回目)

key of C

C Caug C6 Gm / C7
Ⅰaug Ⅰ6 Ⅴm / Ⅰ7
F Em/Am G# G#
Ⅲm/Ⅵm #Ⅴ #Ⅴ

1回目の間奏は、最後の「G#」のところがカッコいいですね!

EmからAmへと動き、最後は半音下の「G#」へパスされます。

そしてこの「G#メジャー」のコードが、C#キーへとキーが半音上がるドミナントとなっています。

キレイなブリッジですね。

ですが、私はこの流れでG#を弾くと、ついA#へと行きたくなってしまいますね。

G#からA#というのは、キーがCなら「Ab~Bb」となり、次のコードはCメジャーになるので、結局キーは戻ってくるので転調はおこりません。

C#へ転調するためには、ぐっとG#でガマンしないといけないところがこのコード進行の面白いところです。

このあと、キーがC#に上がりサビが続いていきます。

サビ(2回目)

key of C#

C# C#aug C#6 G#m / C#7
Ⅰaug Ⅰ6 Ⅴm / Ⅰ7
F# Fm/A#m D#m F7
Ⅲm/Ⅵm Ⅱm Ⅲ7

2回目のサビのポイントは、最後の「F7」です。

「離して~」の直後の部分です。

キーがCなら「E7」ですね。

このE7はどこかで見た、、、

そう、イントロですね。

イントロと同じ「Ⅲ7」の位置つけなのですが、こちらは前奏とうってかわって切ない響きとなっています。

次に「A#m」が続くので、A#マイナーキーのドミナント風になっているからですね。

なのでここは一瞬マイナーに転調した空気を演出していますね。

PVでもここは浮気が発覚するシーンとなっているので、映像とシンクロした演出が面白いですね笑

間奏(1回目)

key of C

A#m Fm F# Fm
Ⅵm Ⅲm Ⅲm
D#m A#m A A
Ⅱm Ⅵm #Ⅴ #Ⅴ

ここもポイントは最後の「A」ですね。

前の間奏と同じく「#V」へとつながることによって次の半音上のキーのドミナントとなっています。

これでこの後に続くサビのキーは「Dメジャー」となりますね。

そしてこの後は、1回ファンキーな曲調へと変わり、、、

最後のサビは、またさらに半音上がります。

つまり、最初のキーに比べると半音3つも上がっていることになります。

この曲は「ずっと同じサビの繰り返しだね」って言う人は多いですが、実は同じメロディながらもいろんなテクニックを使って飽きないように工夫されています。

カラオケで歌うときは、最初ちょっとキーが低いな、、、と思ってやや高めにスタートすると、最後はとんでもないことになるので気をつけてくださいね。

また、ギターの弾き語りもキーが半音ずつ上がるのは、演奏的にかなりのテクニックが必要です。

この楽曲が「1発屋楽曲」にならないように、クマムシさんの次の楽曲にも大きな期待かがかかりますね!