感性を開放することの難しさ、クリエーターであり続けることの苦悩

音楽を創造するに当たって最も根本に考えたいこと。

「感性を開放する」

この言葉はよくききますが、話をきくとよりわからなくなったりしますよね。

今日はそれをわかりやすく説明していきたいと思います。

名曲を作った人がインタビューで、よく「天からメロディが降ってきた」「自然とメロディが湧き出てきた」という言葉をききます。

でも、、、そんな経験ってそんなにたくさんありますか?

おそらく、どんな多い人でも人生で2~3回程度だと思います。むしろそんな経験が無い人の方が多いでしょう。

やはり、音楽は絶対に楽には創ることは出来ません。一流であればあるほど搾り出さないといけないものです。

じゃあ、

何を搾り出すの??

っていわれたら、何を出すべきでしょうか?

もちろん「感性」です。

わかりにくいですね笑

正確には、感性を搾り出すのではなく、感性を「開放」するコツをつかむことです。

「よし、今日は調子がいいぞ!!」「う~ん、今日はちょっといいフレーズがでなさそうだ」

といった具合に、毎日が同じ調子なんてありえないですよね。

つまり、調子が良い「作曲しやすい脳」をつくるんですね!

その日作曲を始めて、、、

「今日はフレーズを考えたら体がシビれるぜ!!」

っていう状態をより早く作り出すことなんです。

でも、そういう絶好調の状態になっても、決して簡単には音楽はできません。

その状態になるのはあくまでもスタート地点で、その後、誰も作ったことが無い音楽を目指してより感性をむきだしに開放していくのです。

たとえば、メインフレーズができたあと、その後の展開を作っていくのは至難の業です。

メインフレーズを頭で鳴らしながら、その後どんなフレーズやリズムを持ってくるかを考えると頭がパニックのような状態になりますね。満足がいくフレーズやアレンジはそうそうできません。

自分自身の100点をどうしても出したいのに、なかなか80~90点くらいしか出せず、しかも時間だけがすぎていくと、イライラはもうマックスに溜まっていき小パニックが起きてしまいます。

その真っ暗闇の音楽地獄のパニックの中、小さな光のさし込んだ音楽の向こう側にある最高の音つかもうと重い手を伸ばすと、血が体中で沸騰するような熱さに体が悲鳴をあげ、さらに何か大きな虫のようなものが血管に入ってきてそれが体中を動いていくような錯覚に陥ることがあります。

その状態になってようやく新しい何かがつかめ可能性がでてくるんですね。

正直なところ、作曲なんて二度としたくないくらいの苦しい重圧に耐えなければならない行為です。そしてさらにもっと技術を伸ばそうとその向こう側へてを伸ばそうとすると、さっきよりもっと大きな虫が体中を走り回りだします。

こうしてほんの少しづつ音楽は出来上がります。

そしてその暗闇を抜けてようやく1曲が完成します。

しかし、仕事は一曲だけでは終わりません。またもう1曲つくろうとすると、また暗闇を経験するのかと思うと、生死の境をくぐりぬけた戦場へ戻っていく気分です。

それでも作曲家は、、、そういう状態を超えて行こうと自分自身と戦っていくのです。

これが感性を開放して音楽に向き合っていくことであり、クリエーターに課された難題であるといえるでしょう。