ユーチューバーの未来とは? 現在のブームなぜ生まれて、いつまで続くの?

【※この記事は、2019年10月26日に公開されたものです】

昨今、ユーチューバーの人気はすごいものがありますね。

トップレベルの人になると年収何億とか言われているように、ビッグビジネスのチャンスがあります。

しかも、素人ながらもたくさんファンがいてくれたりと、まるで芸能人のように扱われているのも魅力の1つですよね。

まさに、プチ芸能人体験ツールのようになっています。

また、2019年の「男子中学生のなりたい職業」ナンバー1に「ユーチューバー」が入るなど、その勢いは加速しています。

実際、ユーチューバーの収入源となる企業の”web広告費”は年々増加傾向にあり、テレビに変わるあたらしい広告媒体として注目は高まるばかりです。

ですが、、、このユーチューバー文化、いつまで続くのでしょうか?

人気はあると言ってもブームみたいなもので、時代の”一発屋”にすぎません。

いつかは急激な衰退がやってきます。

というのも理由があります。

たくさんの知識人や有名人が指摘しているように、どんなに人気のあるユーチューバーでも、テレビで活躍する芸人さんのトーク力や場の立ち回りなど、その実力には歴然としたレベル差があります。

子供の頃から毎日練習している”プロ野球”の選手と、今年から始めた”草野球”の選手ほどの違いがあります。

では、ユーチューバーといった素人芸人が突然有名になったり、大活躍する現象はなぜ生まれたのでしょうか。

これはとても不思議なことですよね。

それは、”AKB48”の誕生によるものだと思っています。

知ってのとおり”AKB48”は、「会いに行けるアイドル」として、”ファンと身近に触れ合える”ことがウリでした。

クラスで4番目くらいのカワイさの女の子をそろえるという、アイドルという概念を覆したコンセプトが大当たりしましたね。

アイドルと握手できることに喜びを感じる男性と、自分もなれるかもしれないと思えることに喜びを覚えた女性に大ウケしたんです。

現代的アイドルが、かつての松田聖子さんや中森明菜さん、最近では有村架純さんや佐々木希さんといった、誰も手が届かない”雲の上”という存在ではなくなったことがポイントです。

まるで「ドアスコープ」のように、すぐ近くにいる人なのに、少し離れたような、変な感覚に近いかもしれません。

ここでは、ネットで身近な友達が突然人気が出ることを、「ドアスコープ現象」と呼びたいと思います。

こういった流れを受けるようにして大ヒットしたものが”ニコニコ動画”というサービスです。

AKB48によって、芸能界というものは”特別な人のもの”という概念が崩れた世の中で、「自分でも注目を集めることができるかも?」と思い始めた人たちに新しい表現の場所を与えたのです。

これにより、”歌ってみた””踊ってみた”動画の投稿が相次ぎ、普段隣にいるようなクラスメイトが突然ネット界で人気者になるという現象が現れました。

もちろんクオリティはピンきりで、驚くほど高いものもあれば、目も当てれないようなものもたくさんありました。

ですが、クオリティが低くても面白ければ爆発的な再生回数になったり、女の子でもちょっとカワイイだけでも大人気となりました。

テレビに出れるほどではないにしても、人より少しでも光る才能があれば、格段に世に出やすくなったんですね。

このように、ニコニコ動画は芸能人という憧れの職業を簡単に体験できるツールとして大ヒットしました。

でも、何万何十万人いた”歌ってみた””踊ってみた”をデビューした人たちも、今の芸能界で誰が生き残っているか、、、と言えば、ほとんどいません。

一部ユーチューバーに移行して人気が出ている人もいますが、これはただ”先駆者”であっただけで、実力があったからのし上がったわけではありません。

実力のあるのはほんの数人だけですね。

”歌ってみた”出身の藍井エイルさんやnanoさんなどは、たくさんのアニメの主題歌を歌っています。

アイドル系では、たまにテレビに出ている人は見かけますが、トップアイドルと肩を並べれる人は誰一人思い浮かびません。

芸人系ではより顕著で、芸人でメジャーになった人は皆無でした。

つまり、ほとんどの人が、テレビで活躍している歌手、アイドル、お笑い芸人に勝つことができなかったのです。

その「ドアスコープ現象」の延長で生まれたのが、、、「ユーチューバー」なんです。

ニコニコ動画のように誰でもデビューできて、たまたまちょっと再生数が増えればたくさんのファンができるというシステムは全く同じですよね。

「ドアスコープ現象」で生まれたブームが、さまざまな表現の形として姿を変えて、今のユーチューバー文化が存在しているのです。

ですが、皆さんが知ってのとおり、2019年現在のAKB48グループと言うのは、かつての輝きや面影は微塵も感じることができないほど影を潜めています。

AKB総選挙でも、トップ10に入っても世の中ではほとんど知名度はありません。

現在、そのAKB48に変わってトップの座に君臨しているのが、同じグループである”乃木坂46”です。

乃木坂46は、AKBのコンセプトとは違い、”清楚”をウリとした、特にビジュアル面で”ホンモノ”を集めたグループです。

卒業してしまいましたが、CM女王とも呼ばれた白石麻衣、女優として活躍する西野七瀬といい、歴代アイドルの中でもトップクラスに美しいです。

この2人以外にも人気のある美女が山ほどいますよね。(トーク、バラエティ力はともかくですが、、、)

2018年、2019年と2年連続でレコード大賞をとるなど、一時期勢いはすごかったですね。

そして、本物ながら”握手会”といった身近な感覚も残していると言う、秋元康のプロデュース力のすばらしさも忘れてはなりません。

AKB48は、このように現在は乃木坂46をはじめ、たくさんデビューしてくるアイドルグループに押されて入るものの、2006年リリースの「会いたかった」あたりから人気が出始め、2013年の「恋するフォーチュンクッキー」あたりまではトップアイドルを守り続けてきました。

大活躍した期間は、8~10年ほどです。

これは、ユーチューバーも同じことが言えると思います。

ユーチューバーが注目を集め始めたのが2014年ごろだと思いますので、長くて2024年までの命と予想されます。

では、AKB48に取って変わった”ホンモノ”の乃木坂46のように、ユーチューバーにとって脅威になる”ホンモノ”は、いったい何なのでしょうか、、、

それは間違いなく、現在”テレビで活躍している芸能人”です。

もしくは、”ホンモノ”の経験をしたスポーツ選手、”ホンモノ”の知識を持った著名人、ひょっとしたら政治家など、知名度の高い方です。

トップアイドルとして君臨してきたAKB48は、”ホンモノ”志向の乃木坂46と戦わなければなりませんでした。

ユーチューバーにとっては、今現在”テレビで活躍している芸人”と戦わなければなりません。

ユーチューバーという巨大市場があると考えれば、生活が厳しい売れない芸人をはじめ、売れている芸人も新しい活躍の場を求めてやってくるのが当然の考えですよね。

2019年現在は、ユーチューバーとのレベル差から、プロの芸人たちは、「ユーチューブではやりたくない」と考えている人がとても多いです。

まだ、ユーチューブ市場を”プロが行く場所”、と認識していないんだと思います。

ですが少しずつこの考えは変わってきていて、ロンブー淳がニコニコ動画でも積極的に活動していたように、2020年以降はますます芸人が個人として活躍しはじめると予想されます。

一回この流れができてしまうと、大多数の芸人がユーチューバーとしてなだれ込んでくると予想します。

しかも、それを後押しするように、テレビ業界も「アメーバTV」をはじめ、ネット業界に負けないようにあたらしいサービスの展開に入ってきています。

数年後には、ユーチューバーというサービスに、”ホンモノ”の力を持った人と”巨大資本”がどんどん流れてきます。

その形は、早くて3年、遅くても6年で完了するでしょう。

つまり、2024年から2026年ごろにはアマチュアのユーチューバー文化は、終焉を迎えてしまうことになります。

その中で、現在の有名ユーチューバーは一体何人が生き残っているのでしょうか、、、

とても楽しみです。

現在、テレビ業界が姿を変えてネット業界でビッグビジネスを展開しはじめています。

ちょうど今がその転換期であることは間違いありません。