目次
最初に、どんな作曲家を目指すのか決めよう
作曲の仕事の種類
- ポピュラー音楽の楽曲提供
- ポピュラー音楽の編曲
- DJ、リミックス
- 映画、ドラマ、アニメの劇伴
- ゲーム音楽
- CM音楽
- 舞台音楽
- ジングル
- アニソン、声優、アイドル関係
- バンド関係
- シンガーソングライター
- サンプリングCDの素材作り
- カラオケ関係
- ユーティリティソフト&アプリ
- 企業や団体のプロモーション
- 機械操作音
- その他映像関係の音楽
- etc…
作曲家と言っても、仕事の種類はこんなにたくさんあります。
今ここでざっと並べましたが、細かく分けると何百種類も作曲にかかわる仕事があります。
なので、あなたが作曲家を目指す場合、まず最初にどんな作曲家を目指すかを決めることが大事になります。
なぜなら、
「ポピュラー音楽メロディメーカー」と「映画音楽の劇伴」に興味があるので、両方勉強して両方こなせるプロになりたい!!
なんて考えると、絶対にどちらもうまくいかないからです。
例えるなら、サッカーと野球の両方やりながら、いずれ両方でプロになりたい!なんて言っているのと同じです。そんなの絶対無理ですよね。
(もちろん、よくわからない最初のうちは、一時的に両方やってみるというのはアリです!)
あなたの目指したい作曲ジャンルには、その道の音楽を極めようとしている人達がとてつもなくたくさんいます。
あなたは、その猛者たちと戦わなければなりません。
なので、まずは1つの作曲ジャンルに絞り、その道を極めて行くことが、作曲家になるための一番の近道なのです。
※どうしても複数ジャンルやりたいなら、どれか1つをバリバリ仕事できるようになってから、もう1つも手をつけてみるという人は中にはいます。1番目以外に興味を持っている作曲ジャンルは、絶対にあきらめなければならないという意味ではないので安心してくださいね。
作曲家を目指す方法
作曲家になる人は、ほとんどが20代中盤~後半までになっています。
残りの人生を考えた時に、作曲家になるまでの道のりは最短距離で活動できるにこしたことはありません。
ここでは、作曲家になれるさまざまな道筋で、メリットとデメリットを考えてみたいと思います。
ざっと道筋をあげると、このようになります。
動画投稿サイトで活躍する
このジャンルを目指す人にオススメ
- ポピュラー音楽の楽曲提供
- アニソン、声優、アイドル関係
メリット
動画投稿サイトに自分の楽曲を投稿するのは、今一番旬な方法かもしれません。
実際、音楽プロデューサーやクライアントは動画を見て新人を探していますし、動画サイトの運営側も自分のサービスから有名人が出たら宣伝になるので、どんどんレコード会社に有望な作家(Pと呼ばれる)の情報を流しています。
なので、動画を投稿することはオーディションを受けるのと近い意味を持つようになってきています。
実際、niconicoで動画をアップしていた作曲家(P)が、アニメの主題歌の作曲をしているパターンはたくさんあります。
デメリット
評価している人の99%が音楽なんてほとんど知らない素人です。
音楽的名実力が皆無でも、「なんか面白い」「なんか激しくて良い」だけの理由で人気が出てしまったりします。
ここで勘違いしてしまって、もしコミケとかでCDが少しでも売れて利益が出てしまったら、、、もう一生作曲家にはなれません。
一度勘違いした人は、もう正しい道には戻ってくることはできません。
オーディションやコンペを受ける
このジャンルを目指す人にオススメ
- ポピュラー音楽の楽曲提供
- ポピュラー音楽の編曲
- アニソン、声優、アイドル関係
メリット
レコード会社が行なっている作曲家オーディションをはじめ、一般参加型の楽曲提供コンペ等は最も近道です。
合格すれば、すぐに仕事になるからですね!
たとえコンペに受からなくても、もしクオリティの高い楽曲であったら、一般は参加できないクローズドなコンペにディレクターから声がかかったりすることもあります。
デメリット
このオーディションですが、もちろん合格すれば、すぐに楽曲が採用されるというとてつもなく大きなメリットがありますが、デメリットはあまりにも継続が難しいというところです。
1回コンペに通ったところで、すぐまた次の仕事があるかと言えば全くそんなことは無く、数曲だけで引退する人も多くいます。
1回コンペに受かったら、ようやくスタート地点に立てたという気持ちが大事です。
オーディションに受かるためには、常にネットで情報を集めながら、できるだけ短い時間でクオリティの高い作品を作る練習をすることが良いと思います。
音楽大学進学
このジャンルを目指す人にオススメ
- 映画、ドラマ、アニメの劇伴
- ゲーム音楽
- CM音楽
- 舞台音楽
メリット
まずは音楽をしっかり勉強したいという人は音楽大学がオススメです。音楽的能力は一番向上させることができるということが音楽大学進学のメリットです。
オーケストレーションや楽器の演奏技術を得るためには、専門学校とはとても比較にならないくらいのレベルです。
映画やアニメの劇伴を作っている人は、音楽大学出身者がとても多いです。
デメリット
音楽大学は、商業的な音楽業界とのつながりが極めて薄いことと、入学のハードルが高いことががデメリットです。
入るだけでもかなりの労力が必要になります。
専門学校進学
このジャンルを目指す人にオススメ
- ポピュラー音楽の楽曲提供
- ポピュラー音楽の編曲
- DJ、リミックス
- ゲーム音楽
- CM音楽
- ジングル
- アニソン、声優、アイドル関係
- バンド関係
- シンガーソングライター
メリット
最も重要なメリットは「就職に強い」のと「業界にコネクションが作れる」ことです。
専門学校には、自分が目指す職業のプロの人が毎日いる環境です。そして、自分の隣には同じ職業を目指す仲間がいます。
ですが、そのどっぷり音楽につかれる環境のありがたみに気づかないまま卒業する人が90%以上もいます。
もし専門学校を選ぶなら、その環境のメリットを活かすことをまずは考えてみてください。講師の方とは、卒業後も絶対につながっておいて損は無いですよ。
また、どの学校にも「就職課」があり、そこに企業から求人情報がたくさん集まってきます。
なのでゲーム業界等の就職の情報は集まりやすくなっています。
デメリット
講師のレベルがピンからキリまで在籍している点と、講師間の格差や派閥争いでキクシャクすることがあります。
どの先生につくかで、ある先生とは仲良くできなかったり、少し面倒なこともあったりします。
また、入学費や授業料がとても高いということがあげられます。
アルバイトなどで勉強時間がなかなか取れないといった状況に陥る可能性もあるので、奨学金制度やいろんなシステムを利用して勉強時間を確保できるようにしましょう。
一般大学進学
このジャンルを目指す人にオススメ
- 全般
メリット
音楽に関係の無い、一般の大学から音楽家になるパターンもとても多いです。
社会の常識や人間関係をしっかり学べるところから、キッチリ仕事をこなすことができる作曲家になれる可能性が高いということです。
専門学校出身の人と、大学出身の人は、やはり一緒に仕事をすると違いが大きいです。大学出身者の方が人生経験が多いと感じることは多々あります。
デメリット
音楽の勉強全てが全てが独学になってしまうところです。
私も一般大学の経済学部出身です。音楽理論の勉強し始めの頃、質問をしたくても話をできる人がいなくて困りました。
友人のピアノの先生を紹介してもらったり、勉強する効率はとても悪かったです。
弟子入り、付き人になる
このジャンルを目指す人にオススメ
- 映画、ドラマ、アニメの劇伴
- CM音楽
- 舞台音楽
メリット
実は、近年少なくなってきましたが、著名な作曲家に弟子入りや、付き人になることも近道です。
弟子入りすると、師匠の仕事を手伝ったりすることができ、プロに限りなく近いところで音楽を勉強することができます。
もし師匠に気に入ってもらったら、必ずといっていいほど仕事への道を開けてくれます。なぜなら、あなたもかわいい後輩がいたら、自分と同じ仕事してほしいと思いますよね。
デメリット
ですが、師匠と呼べるほどの逸材とつながることは非常にレアなケースです。
臨時講師で来られる著名な先生とつながりを持つために、専門学校へ入学する人もいます。
もし、少しでも近づきになるチャンスがあれば、ダメ元でも自分のデモCDを渡すのが良いでしょう。
私も学生時代、臨時講師で来られた先生、2人に師事しました。弟子とまでは行かないですが、大阪へ来た時限定の付き人みたいな位置づけでした。
最初思い切ってデモCDを渡したら快く受け取ってくれました。今でも仲良くしてもらっています。
バンド結成、シンガーソングライター
このジャンルを目指す人にオススメ
- ポピュラー音楽の楽曲提供
- バンド関係
- シンガーソングライター
アーティスト路線のド真ん中ですね。デビューを目指すので、オーディションを受ける人が多いと思います。
こちらもコンペと同じく、あまりにも門戸が狭いということがデメリットではありますが、一旦デビューすると、作曲コンペと違って、ある程度の期間契約が続くということが少しメリットとしてあります。
フリーアルバイターで頑張る
このジャンルを目指す人にオススメ
- 全般
フリーアルバイター最大のメリットは、大学や専門学校のように莫大な授業料がかからないということです。
逆にデメリットは、コネクションや勉強や経験できるチャンスが圧倒的に少ないということです。ダメ元でも、チャンスを探していろんなところに顔を出すことが求められます。
なので、お金がたまるまでアルバイトを続けて、貯まったら奨学金をもらいながら学校へ通う人も多いです。
海外留学
少しの間でも、海外に行って本場の音楽に触れることはとても意味のあることです。私が海外に行って一番驚いたのが、ストリートミュージシャンのレベルの高さです。
日本だったら、デビューしててもおかしくないようなクオリティのオリジナルソングを歌う人が、そのあたりの路上で歌っているんです。
自分の中の音楽のハードルをあげるためにも、レベルの高い環境を見ておくことは財産になります。
作曲家になるには、どのくらい費用がかかるの?
大学や専門学校へ行けば、入学費と授業料が必ずかかります。
専門学校なら、総額300万円くらい、一般大学や音楽大学はその2~3倍は見ておかなければなりません。
もし、学校に入らない場合でも、作品をつくるためにはパソコンや作曲専用のソフトや音源も必要になります。
パソコン&モニタで15万、DAW5万、音源10万、インターフェースなどハード類10万と考えていくと、プロになるための機材をそろえるだけでも、30~50万は必要になります。
そのお金を稼ぐためにアルバイトをして、本来の作曲の勉強をする時間がなくなってしまう、、、なんてことになれば本末転倒です。
ただただ、無駄に時間だけが流れていくだけです。
学校へ行くなら奨学金や、いろいろなサポートを使えるものは使って、まずは早急に、音楽にどっぷりつかることができる環境を整えることが大事です。
ただ、奨学金は返済しないといけないので、その計算もしっかり入れて置いてくださいね。
もしくは、その返済しなければならないことを逆にモチベーションとして、絶対、卒業後すぐに仕事をできるようになるぞ!と気持ちを高めるのもよいですね。
作曲家に求められる性格
コミュニケーション能力のある人
作曲は、個人の作業なので、意外に「コミュ障」でもいいんじゃないのって言う人もいると思います。
確かに、作曲家で「コミュ障」の人は多いですが、最低限打ち合わせができて、クライアントの求めているものをしっかりと汲み取れる能力がないと、作曲家として成立しません。
クライアントの求めているものや作品の方向性を読み取って、そこに自分自身がよりその作品を盛り上げる演出を付加しながら楽曲を作っていくのが作曲家の仕事です。
誰もが認める作曲能力があり、「あの人の作った曲ならすべてOK」と言われる程大御所になるまで、コミュニケーション能力はとても大事になります。
自己管理能力のある人
作曲家において、最も大事なことが「締め切りを守る」ことです。
締切日になって音楽ができなない、、、なんてことになると、作品を仕上げることができません。映画やアニメだったら、放送のかなり前に行われる、関係者向け試写会とかで音楽が入っていないなんてことにもなりかねません。
クオリティはもちろん重要な要因ですが、そのクオリティよりも、まずは「納期を守る」ことが最優先です。
仕事を請けたら、まずは締め日はもちろんのこと、制作の重要な山場(α版、β版の締め日など)もしっかり確認しておきましょう。
自己管理能力が低い作曲家はたくさんいますが、そういった人は事務所の管理する人が尻をたたいてマネージメントをしたりしています。
納期を守れない人には、絶対に作曲の依頼が来ることはありません。
もし、あなたが発注する側の人間だったら、作品が期日までに仕上がらない可能性のある人に仕事をお願いするなんて、あまりにもリスクが高すぎますよね><
まとめ
まずは、しっかりと音楽を勉強できる環境を整えることが最重要です。
今から作曲を始めるにしても、始めるのが遅かった、、、なんて思わないでください。
残りの人生の中で、今のあなたが一番若いのですから!!
作曲家人生の一歩を踏み出しましょう!
また、作曲家を目指すためにすべきことをまとめました。もし良かったらこちらも見てくださいね。