midiで限界まで再現してみた/ベートーヴェン『月光』(第一楽章)

打ち込みで限界まで再現してみたシリーズの第1回目です。

ベートーヴェンの「月光」の第一楽章です。

打ち込みも「演奏」と認められ始めたので、その演奏でどこまで音楽的な表現を再現できるかを試して行きます。

また、使った音源なども全て公開していく予定です。

解説

まずは完成版の方をアップしておきます。

使用機材

ピアノ音源

  • YAMAHA Pシリーズ 電子ピアノ P-90

今回は、YAMAHAの電子ピアノを音源にしています。

よく、「もっとも音圧のあるピアノ音源は?」「一番表現力のあるピアノ音源は?」と聞かれますが、ソフト音源ではほぼ答えたことがありません。

必ず電子ピアノを答えています。

電子ピアノをマスターキーボードにして、さらにそれをピアノ音源として活用すれば、スペース的にも機能的にも一石二鳥です。

大事な仕事が来た時のピアノ音源は、ほとんどこの電子ピアノ(P-90)を使っています。

現在はP-90は終息しているのですが、試してみたい方は、Pシリーズの最新機種を探すとよいと思います。
(画像はイメージです。)

プラグイン

  • UAD Lexicon 224
  • UAD Neve 33609

演奏している場所の想定は、コンサートホールです。

広めの箱をイメージして、反響は遠くで、そして大きい設定をしています。

今回は場所のシミュレートなので、プラグインはリバーブのみです。ディレイは使っていません。

今回わかったのは、UADのプラグインは本当に優秀です。音の良さ、再現性(リアルさ)は言うまでもありませんが、優秀なプリセットもたくさんあるので、プリセットをまわしてるだけでも楽しくなります。

UADがあれば、確実に音が変わることが確認できました。

今回使った2つのプラグインの設定を掲載しておきますね。

打ち込み技術の解説

テンポのゆれ

クラシックとポップスの最大の違いは、テンポが大きく揺れていることです。

ポップスは基本的にクリックを聞きながら演奏することが多いので、テンポはほとんどの曲で一定です。

ですが、クラシックは同じ長さの小節が来ることはほぼないといってもよいでしょう。演奏家や指揮者がタメや走りを使って最も気持ちよいと思えるテンポを作っていくので、クリックとは間逆の世界です。

今回は、動画の下側にテンポトラックを一緒に撮影したので、どのくらいの揺れがあるか一目瞭然でわかるようにしています。

小節の頭はゆっくり始まり、3拍目で山が来て4拍目から次の小節にかけてまたテンポが落ちて、タメのような形になっています。

サステインペダル感の再現

ペダルは踏み続けていると、コードが変わる時などに次の音とぶつかり濁ってしまいます。

演奏家はこの音がにごる絶妙なところでペダルを放して、そしてまた踏んでピアノという楽器の絶妙な響きを作っています。

打ち込みの世界ではリバーブなどでざっくり作ってしまうことも多いですが、今回はコードチェンジの際に実際に演奏がしているであろうペダルテクニックを再現してみました。

一瞬の響きが止まった時など、演奏ならではのかっこよさがあるので、そのあたりの再現を目標にしています。

最後に、midiではどのようなデータになっているか画像を掲載しておきますね。

コントロールチェンジのサステイン(CC64)を使ってサステインペダルの再現をしています。